「サンタマリア館について」
天草の450年のキリシタンの歴史を世に伝えんと、館長の浜崎栄三(84歳)が40年の歳月をかけ収集したかくれキリシタンの遺物を展示。「かくれキリシタンの資料館」である。踏絵をはじめ、マリア観音や十字架など120点を展示し、館長自ら来館者一人一人に天草のキリシタンの歴史と哀歌を語る。
「心」をありがとう
藤原由紀乃後援会天草支部会員 浜崎献作(2004.9.9)
藤原由紀乃さんが来る!そりゃ、うそだろう。由紀乃さんが、こんな天草に来るわけないじゃん!十一月一日、由紀乃さんのコンサートが、この天草で、そして大ホールでもない小さな個人のサンタマリア館(かくれキリシタン資料館)で行われることとなった。そこは風光明媚な海岸に面し、椰子の木で囲まれ、庭にはイエスを抱いたマリア像が立っている。中には四百年の天草のキリシタンの哀歌を語るマリア観音やロザリオ、そして弾圧のための踏絵などが陳列されている。この辺ぴな天草に熊本市や佐賀からのファンがつめかけた。二百用意した椅子もタチマチ満席となった。ピアノは娘がウイーンから持ってきた1920年製のベーゼンドルファー。会場の奥から黒のドレスで登場する。黒、それは由紀乃さんの恩師シュタードゥラー女史の死に敬意を表すためだった。由紀乃さんて、どんな人だろう。一瞬会場はしずまって、大きな拍手につつまれた。資料館のマリア様、イエス様、みんなが拍手している・・・。まさに、天使のようなマリア様の登場だ。演奏が始まる・・・。聴衆は次第にその雰囲気に引き込まれていく。奏でる魔法の手、ピアノまでも由紀乃さんに身をまかせた。感極まって涙する人、ピアノから二メートルも離れていない人、皆宇宙をさまよっているかのようだ。第一部が終わる・・・。第二部は予定の時刻になっても始まらない。調律士の斉藤さんの顔色がかわった。「室温が上がりすぎて、湿度が上がりすぎています」という。ピアノに良くない! 早速室内を急冷する。ようやく第二部の始まり。演奏が、人々の心の底までとどいている・・・。天草のキリシタンを偲んで・・・。鳴り止まぬ拍手。”由紀乃さん、ありがとう。「心」をありがとう。
藤原由紀乃リサイタル「ショパンのゆうべ」に寄せて
栗丸積 (藤原由紀乃後援会天草支部会員)
切切偲偲怡怡という言葉がある。人を思いやり、人とにこやかに接するという意味である。人の理想とされるが、現実にはなかなかお目にかかることはない。ところが長く生きていれば、このような人と出会うものであるから人生は面白い。音楽の楽は古より倫理、礼儀と並び人の容儀、品性を整えるものとされる。切切偲偲怡怡を自らの自然とする音楽家に間近に接する機会に恵まれたことは望外の喜びである。
「由紀乃さんは本物だ」
田中博子 (天草郡)
専門的なことは私はなにもわかりません。ただ、はっきりと言えることは、藤原由紀乃さん(以下、由紀乃さんと略します)の演奏がどんなに素晴らしいものであるか、ということであります。初めて由紀乃さんの演奏を聴いた瞬間、「(由紀乃さんは)本物だ!」と真に実感しました。心にジーンとくるものを感じたのです。その感覚は、例えば、同じ肉を焼くにも“ガスコンロ”ではなく“炭火”でじーっくり焼き上げるような。体を温めるにもその場しのぎの“カイロ”ではなく“遠赤外線”的な。(まともな例えじゃなくてスミマセン;(^^ゞ)演奏中、感情が心の中で旅をしていました。ある時は、あたかもそこに豊かなる川のせせらぎがあるかのように、・・・目を閉じればその情景が浮かぶようで涼やかな気持ちになったり、またある時はせつない気持ちになってとめどもなく涙が溢れてきたり。そのような心揺さぶられる由紀乃さんの素晴らしい演奏を、この天草の地にて再び拝聴できようとは正直思ってもみなかったので、当日を迎えられる喜びといったら!(今回実現の運びとなるに至った天草の“キー・パーソン”の方々:濱崎家の方々やその他多くの関係者の方々に大変感謝致しております。この場をお借りしましてあらためて御礼申し上げます。
多くの方々の魂にも、愛と安らぎを与えてくださいました。
藤原由紀乃後援会天草支部会員 浜崎敏子(2004.9.9)
キリシタンの里天草、その玄関口に建つキリシタンの資料館、サンタマリア館に、由紀乃さんをお迎えする事は、私たち、生きている者のみならず、天草島原の乱で愛の涙を流された多くの方々 の魂にも愛と安らぎを与えてくださいました。私たちと私達を支えて下さる先祖の霊までもが愛で満たされました。一音一音に思いを込められた演奏が進むにつれ、私たちは心が解き放たれ異次元へと突入し、遊んできたような感じでした。私たちは愛で包まれていました。聴衆の童心にかえった、あの顔の輝きを忘れません。アンナシュタードゥラー先生への限りない深い感謝の思いが込められた「ショパンの夕べ」でございました。 天草での由紀乃さんの深い演奏を心の奥に、そっとしまって、明日を生きます。
ずっと温め続けたいもの
日本ベアタ・ツィーグラー協会会員・藤原由紀乃後援会会員 浜崎こころ
「魂の耳で聴くベアタ・ツィーグラーの自然なピアノ奏法」に初めて出会った時、とても神秘的な感覚が心に残りました。高橋知代乃先生に教えていただきながらはじめの一音を聴いた時、光が心の中にさしてくるような気がしました。心のどこかに置き去りにしてきたものが甦ったようでした。今まで一生懸命にピアノを続けてきたつもりですが、何か大切なことが見えていないという思いが心のどこかにありました。しかし、今ここでツィーグラーの奏法に出会い、これが真の音楽であることを感じ、感謝と喜びで一杯になりました。藤原由紀乃先生の演奏を初めて聴かせていただいた時、「どうしてこんなに自然でやさしく、深いのだう・・・」と思いました。人間を超えた何か大きな力が働いているようでした。一音一音が光に満ちていて、その姿は祈りそのものでした。それから何度かツィーグラーの奏法のレッスンを受ける機会に恵まれました。レッスンを受けるたびに、なんて奥深いのだろう・・・、と思いました。曲を仕上げることに追われていた今までの私が恥ずかしいような気がしました。音楽大学はウィーンに留学し、そこではそれなりにすばらしいことを学ぶことができましたが、私が心の底から求めていたものはありませんでした。また、時が経っても心のどこかで、魂の耳で聴く奏法のことがずっと残っていました。そこで、またツィーグラーの奏法を深めてみたいと思いました。それから私はウィーンからミュンヘン在住の由紀乃先生のところへ毎月通い、「ベアタ・ツィーグラーの魂の耳で奏でる自然なピアノ奏法」のレッスンをしていただきました。本当に温かく、真心が込められたレッスンをいただけたことに心から感謝しています。帰国してからも、由紀乃先生にツィーグラーの奏法を教えていただいておりますが、学ぶほど限りなく奥が深いものであることに気付かされました。レッスンでは、一音一音の中、そしてその曲の中に存在する真実を、外側からではなく内側から創りあげていくこと、また真実のものを積み重ねていく喜びを教えていただいたような気がします。今思えば由紀乃先生が、2003年11月に「ショパンの夕べ」を、天草のサンタ・マリア館で演奏して下さるとは夢にも思いませんでした。リサイタルにはたくさんの人に聴きに来ていただき、由紀乃先生をぐるっと囲むようにして、身近に演奏を聴かせていただけたことは、私達にとってかけがえのない恵まれた機会でした。一人一人の心の奥に触れてくださるような慈悲深さと、また聴いている人の心を一つに包み込むような限りなく大きな愛の力を感じました。それは言葉では言い表すことが出来ない感動でした。音楽と普段は縁遠い方も、由紀乃先生の演奏に心から感動されていたようです。そして何よりも、天草の地で尊い命をなくされた多くの「かくれキリシタン」の方々の魂が、由紀乃先生の奏でられる清らかな音で癒されていくような気がしました。由紀乃先生の演奏を聴かせていただいている時、永遠の生命の流れの中で、大宇宙の限りない慈愛によって生かされていることを感じさせられます。これからも由紀乃先生の真心の演奏を通して、多くの方々の魂が光で満たされていくことでしょう。ツィーグラーの奏法は、一生かけて温め続けることができる、私にとってかけがえのないものとなりました。これからもずっと、少しずつ深めさせていただければ幸いです。
ああ私は父や妹に会うために今日ここに来たのだろうか
生田めぐみ(天草郡)
昨年の11月1日は私にとって忘れられない特別な日になりました。藤原由紀乃さんのピアノを聴かせていただくのは今回が2度目でした。(1度目は数年前本渡市民センターで、その音色のやすらかさと由紀乃さんの物腰の柔らかさが印象に残る出会いでした。)懐かしいような、どきどきするような気持ちでサンタマリア館の椅子に腰を下ろし由紀乃さんのピアノの音に引き込まれていきました。聴いているうちに次第に亡くなった父や妹のことが思い出され、いつのまにか涙を流しながら聴いていました。ああ私は父や妹に会うために今日ここに来たのだろうか、きっと神様が会わせて下さったにちがいない。すばらしいピアノを聴くことができたうえに自分の心の奥に隠れていた悲しみの気持ちにまで触れることができ私は魂が洗われたような気がしていました。演奏が済まれたあとで今日は由紀乃さんの恩師のアンナ・シュタードラー女史を偲んで追悼の気持ちで弾かれたということをお聞きし、とても納得致しました。本当に悲しみの気持ちと懐かしい気持ちに溢れた演奏を聴かせてくださって有難うございました。久しぶりに父や妹を近くに感じることができとても良い日でした。また機会がございましたら天草にいらしてください。今度はどんな演奏を聴かせていただけるのか楽しみにしています。
辻利朗 (久留米市)
藤原由紀乃さんのピアノの音が一度体の内に浸み込むと 一生、消えそうにありません。次の演奏会を心待ちにしています。素晴らしい夢を有難うございます。
浦本雅 (天草郡)
近くで見れてよかったです!!
すごいです。ピアノは、上手でしたー。*^o^*
また、熊本県(←天草に)に、ピアノをひきに来て下さい!!ショパンも好きですが、最近ラヴェルにハマってます:クープランの墓きいてみたいです。今日は、ありがとうございます!!
小西静子(熊本県)
素晴らしい演奏を聴く事ができ、本当にありがとうございました。また、熊本の方にもいらして下さい。またぜひ、いきたいと思います。
小西かな子 (熊本県)
ゆきのさんのひいたきょくは、とても、じょうずで、わたしは、とてもまねできません。これからも、ピアノをたくさんひいてください。とても、いい思い出ができました。わたしも、ゆきのさんみたいに、じょうずになりたいです。すばらしいえんそうでした。また、いつか、来てください。
横田民之(本渡市民センター)
素晴らしかった。感動しました。本渡市民センターにも是非呼んでみたい。
田中恭子 (牛深市)
優しくて、まあるい音が、コロコロ コロコロ。とても、心が暖かくなりました。いつまでも、聴いていたかったです。藤原由紀乃さんの笑顔が、菩薩様に見えました。
野田幸子 (八代市)
開場がコンサートホールでなかったので、どんな風になるのかと思っていましたが、全くの危惧でした。素晴らしい音楽会をありがとうございました。
島崎和子 (熊本市)
本当に心の底から動かされる思いでした。音楽には縁がないと思っていましたが、すばらしい感動を与えていただきありがとうございました。一音一音に魂のこもった演奏でした。
許斐なな子 (天草郡)
近くで見れてとてもうれしかったです。すごく上手でした。また、見に来れるといいです。わたしもあんなふうにひけるといいです。
川島玲子 (鹿児島県)
念願叶って、素晴らしい演奏を拝聴出来まして、本当に有難うございました。是非、又、拝聴致したいです。