東京文化会館小ホール ピアノ・リサイタルを聴いて(2015.6.6)
綾部勇様(東京都立川市)
2年ぶりに聴く由紀乃さんの、前と変わらぬ誰もの魂をゆさぶる演奏は、仏教的に云えばベートーヴェン、ショパン、リスト等、クラシックの巨匠たちと、正に『感応道交』(仏と人の魂が一体になること)しているようであり、その天界の妙音ともいうべき旋律の流れの中に、身を漂わせている想いがした。 人の一生には喜怒哀楽が付きものであるが、秀れた音楽の演奏は、聴く人が得た感動を苦しみや悲しみを超え、しっかりと生きてゆく力があるのではと思う。 今晩の由紀乃さんの演奏からそのようなパワーを頂けたとは、76才の私にとって本当に有難いことであった。